パワーとは…その意味するところは、人によって異なるだろうが、もしサイクリストとして少しでもレベルアップを目指しているのなら、もっとパワーをつける必要がある。もちろん、持久力系、回復、乳酸閾値、そして最大酸素摂取レベルでの練習は全て、トレーニングプログラム全体の中で重要な要素だ。しかし、最終的なパワーがバイクを推進させるのだ。パワーを査定する際には、以下の質問について考えてもらいたい。
1. 自分はどれだけのパワーがあるのか?現在のパワーを測定する方法はいくつかある。
2. 最大パワーが発揮できるのはどういう条件か?平坦路か、急坂か?それとも高回転のダウンヒルか?
3. パワーが最も低いのはどういう状況か?この領域をまず向上させよう。
4. どうしたらパワーが向上するか?続きを読んでほしい...
トッププロは驚くほどの優雅さでパワーを発揮し、効率も良い。彼らはペダルのストローク全体に力を加え、あらゆる回転数、あらゆる条件下でパワーを発揮することができる。彼らは最大に効率のよい方法をマスターしているのである。美しくて効率のよいペダリングの代表選手といえば、ファウスト コッピ、ジャック アンクティル 、そしてフランチェスコ モゼールが挙げられる。彼らはバイクを操る芸術家だ。彼らはパワーを発揮、維持することに努め、それを効率のよいペダリングにつなげていた。
あなたもこのようなスキルを高めたければ、以下の4つのテクニックを試して欲しい。
大きなギアを回す練習
高回転で大きなギアを踏むのは、パワーを増加させる良い方法だ。大きなギアを低回転で回し、ほどよい負荷をかける。最大、またはその次に大きなギアで、毎分50-65回転を約2分間試す。ペダルストロークの一周全体に力を伝え、スムーズな円を描いて回すことに集中する。文字通りペダルは円軌道を描く。このような練習は筋肉繊維の発達を促し、毎回の練習に関与する全筋肉繊維数を増加させる。これにより、ペダリングがより効率的になる。まず低回転で基礎力をつけたところで、高回転練習に移るとよい。30秒~1分間、80~90回転から始める(回転数の効率には個人差があるが、通常、高くても90回転程度である)。なんとか回せるギア比(ロードバイクなら53x19、MTBなら46、または48x17)を選び、徐々に上げていう。この新しいトレーニングに適応させるために、2、3週間はかけ、その後、時間を徐々に伸ばしていく。パワーインターバルは週に一度集中して行えば十分だが、普段の練習に組み込むこともできる。
インドアトレーナーを活用する
インドアトレーナーを活用すれば、完全に安定した環境でペダリングの練習に集中することができる。踏み込みだけでなく、引き脚も意識しよう。脚の全ての筋肉を使い、上体はできるだけ安定させる。お尻の動きに注意しよう。もし動き過ぎるようなら、サドルを下げるとよい。ポジションが悪いために、エネルギーを他の部分に使っていたら、パワー強化の練習を行う意味がなくなってしまう。この姿勢で練習を行うことで、筋肉量が増加する。
ライダーとバイクのつながり
ライダーであるあなたとバイクの関係が大事だ。この関係を向上させるには、自分のバイクに乗るしかない。インプットと自分が送る指示に対して、バイクがどのように反応するかを学ぶことだ。サドルに座ったまま曲がりくねった坂道を登り、普段より大きなギアを使ってほしい。その時、できるだけ減速しないように。お気に入りのプロ選手を見て、彼らの強さを見習い、自分の弱点を克服しよう。登りでも、シッティングで走行するには勾配がきつすぎたら、立ち上がる前にギアを一枚上げよう。こうすることで、同じリズムとスピードを維持することができる。また、自分のバイクのことを知ろう。ライダーとバイクは共生関係であり、2つの別々の要素、つまり、ヒトとマシンであるが、2つが1つとして機能しなければならない。
自分より強いライダーと一緒に走る
自分より強い選手と走ることで、様々な状況や戦略の下でのパワーを強化させることができる。上り坂での急加速、ゴール前に、ギアをかけた長い仕上げ、シングルトラックへのスプリントなど、全てがあなたのパワー系に異なる負荷をかけることになる。自分より強い選手と一緒の時には、アタックを仕掛けよう。途中で失速してしまう可能性があるからといって、ためらっていはいけない。自分の限界を押し広げることでのみ、我々は強くなれるのだから。
※注意 もし、必要な基礎トレーニングを行っていない場合は、シーズン序盤にあまり激しいパワートレーニングを行ってはいけない。怪我やオーバートレーニングの元である。
マット マックナマラについて:マットは、米国サイクリングレベル1のコーチであり、レース、コーチ、そしてチームマネジメントに20年以上もの経験を持つ。彼はスターリン スポーツグループの創始者であり、選手とコーチ、テクノロジー、そして個人指導との関係を潤滑化するために、パフォーマンスコーチを行っている。