短時間で行う高強度のワークアウトについて、その有効性を裏付ける最近の研究がサイエンス デイリー(科学ニュースサイト)に掲載されていた。著書の中で引用した研究者の一人、マーチン ギバラ氏は、高強度のインターバルトレーニングに関する研究で通常行われる「スプリント」より、やや運動時間の長いインターバル練習を研究している。ギバラ氏の研究では実際に、我々コーチらが長年指導してきたパワーインターバル(つまり1分間の全力走)と、ほぼ同じ内容のワークアウトを使って検証を行った。彼はインターバルの回復時間を75秒に設定しているが、私が指導する場合には、選手の運動レベルに合わせて、インターバルと回復の時間を通常1:1から1:2の割合にしている。
結果はどうだったかって?研究の要旨から引用すると、「トレーニングにより、運動能力に著しい向上が見られた。これは50キロジュールと750キロジュールで行った、バイクのタイムトライアルの結果で認められた。」加えて、「この研究により、短時間で行う高強度トレーニングの実用的なモデルは、骨格筋にあるミトコンドリアのエネルギー生産量を増加させ、運動能力を向上させるための強力な刺激となることを実証した。」と述べている。
研究室で実証されたトレーニング技術も、屋外トレーニングと同様に活用したいと思わないだろうか。シーズン初めのクリテリウム、MTBのクロスカントリーレース、そしてロードレースやセンチュリーライドに向けて行うトレーニングの中に、是非パワーインターバルを組み込んでほしい。初級者は、1分間の全力走の後に1分間の回復走を行い、これを5回繰り返すことから始めるとよい。中級レベルのライダーは、インターバルの回数を10回まで増やすことで対応が可能だ。上級レベルのライダーは、ワークアウトを複数のセットに分け、8回のインターバルを2セット、または3セット行うとよい。セット間には5-7分の回復走を入れる。これはハードなインターバルなので、翌日は休養日とするか、適度なエンデュランス走に留めてほしい。
しかし、このようなワークアウトを行うことで、アクセルを踏んで加速し、他のライダーを置き去りにするために必要なパワーを養うことができる。