■ 自転車
自転車は軽いものが楽です。最適な車種は、初心者なら小径の折りたたみ自転車やクロスバイク、足腰に不安がある方は電動アシスト自転車が良いでしょう。
小径の折りたたみ自転車やクロスバイクは自転車は車体が軽く、変速機で人間の力を効率よく車輪に伝えるので、スピードも出て、長距離を走る疲労も比較的少なくなります。
初心者や普段の生活でも使いやすい車種です。
■ 服装
もちろん季節、気候によりますが、Tシャツ トレーナー トレーニングジャージなど、運動に適した動きやすい服装ならOKです。
山やアウトドア用の衣類も使えます。
ダボダボの服装は風をはらんで空気抵抗が大きいので、お勧めできません。
またスリムなジーンズは足の動きを妨げますので、やはりお勧めしません。
スポーツ自転車の場合はチェーンカバーが付いていないものが多く、裾をクランクギアに引っ掛けると
非常に危険ですので、裾が絞られたトレパン等や、女性ならスパッツ(レギンス)などが適しています。
そうでない場合は必ず自転車用裾止めベルトなどで縛ってください。
泥除けが無い自転車で雨上がりや水溜りの上を走行すると、泥 水が背中にかかることもあるのでご注意ください。
屋外では1日のうちでもかなり気温差があるので、化繊混紡で、汗を吸ってもべとつかない下着に薄手のものを何枚か重ねて、脱いだり着たりして寒暖に対応するのが良いでしょう。
一番外側は薄手のナイロン生地のウィンドブレイカーがちょっとした雨風に対応できるので良いと思います。
長距離サイクリングでは、一日中日光に当たっているため、春秋でもかなり日焼けしますので、日焼け対策には十分注意してください。特に春の方が夏場より紫外線が強いので要注意です。
「長時間の日差しや風雨を受けると体力を消耗するので、長袖で」という人もいれば「風を受けたほうが爽快」という人もいて、対策には意見が分かれます。
調整ができる服装で始めて、自分に合った方法を見つけてください。
帽子とサングラス、タオルも必須です。特にヘルメットは安全のために着用をお勧めします。自転車事故での死亡原因の相当の割合が頭部損傷によるものです。
オートバイや他のスポーツ用ではなく、自転車用のヘルメットを選んでください。
天気がいい日でも念のためレインウエアを持って行ってください。寒いときには防寒着の代わりにもなります。アウトドア用のセパレート型をお勧めします。
ゴアテックス素材のものは多少値が張りますが、水は通さず水蒸気だけ通すので蒸れにくく、汗をかいても比較的快適です。
ポンチョタイプのものは風にあおられたり、引っかけたりしやすいのでお勧めしません。
傘をさすのは論外です。
■ 必要なもの
1.バッグ
荷物はできるだけ最小限にしてください。
デイパックなどを背負うより自転車に積んだ方が楽ですが、前カゴやフロントバッグに荷物を積み過ぎるとハンドルが不安定になって危険です。
一番いいのは、自転車用のサイドバッグ(車輪の両側に付けるもの)です。重心が低くなるので安定します。サイドバッグを使えない場合は後ろの荷台にヒモでくくりつけます。
ただしスポーツ車の場合は荷台がなく、荷物を積めないことも多いので、その場合はデイパックを。
2.水分 軽食
サイクリング中はかなりの量の水分が汗として体から出ていきます。喉が渇く前にこまめに水分を補給してください。
スポーツ車ならフレームに自転車用のボトルホルダーを付けられるようになっています。飲み物は水やお茶、スポーツドリンクなどが適しています。
甘いドリンクはのどが渇きやすいので避けたほうが良いでしょう。また、疲れた際に携帯食を持っておくと、エネルギー不足になることも防ぐことができます。
水分や食料の補充は途中のお店で買い足せばいいので、日帰りでも現金はお持ちになった方がいいでしょう。
3.ライト
昼間のうちに走り終えるようにスケジュールを組んでおくのが基本ですが、やむを得ず遅くなってしまったときのためにライトは必ず携帯してください。
4.パンク修理キット
走行中一番多いトラブルといってよいのがタイヤのパンクです。サイクリングが継続できなくなってしまいますので、予備のチューブと携帯式空気入れもお忘れなく。
■ 地図
あらかじめルートをチェックしておくことは非常に大切です。市販の道路地図でも十分に使えますので、必ずチェックしてください。
■ 出発前の点検
サイクリングに出る前に必ず自転車を点検してください。点検のポイントはまず次の3点です。おかしい場合は自転車店で見てもらいましょう。
1.タイヤの空気圧
指で押して若干へこむくらいがほどよいです。空気圧が適正だと走行抵抗が少ないのですが、減って低くなっているとペダルが重くなり、疲れやすくなるだけでなくパンクもしやすくなります。
自転車店で空気圧計を借りて計ってみると良いでしょう。
2.チェーンに油
チェーンが油で若干濡れているくらいがちょうどいい具合です。
3.ブレーキ
前後ともちゃんと効くか、逆にレバーを握っていないときでもブレーキが車輪に当たることがないかチェックしてください。
他に各部のネジがゆるんでいないかもチェックしておいてください。
■ トラブルの時
パンク等、自転車のトラブルのときは、近い場所の自転車店に連絡してください。
自転車のパンク修理方法を覚えておくと、より安心です。予備チューブを携帯しておき、その場ではチューブを交換してしまって、後で帰ってから修理すれば時間の節約になります。
とても修理ができない故障の場合は、タクシーを呼んで最寄り駅か自転車店まで行くことでしょうか。
■ 保険
いざという時のために保険に加入しておきましょう。自分の怪我の保障だけでなく、賠償責任も保障してくれるタイプの保険をお勧めします。
グループで走る場合は、参加者一括で加入できる「リクレーション保険」を設定している保険会社もあります。代理店に尋ねてください。
■ 長距離を走るコツ
無理にスピードを出さず、8割くらいの力でできるだけ一定のペースで走るのが、疲労を比較的少なくするコツです。
平地ではスピードが変わってもペダルを回す速度がほぼ一定になるように変速機でギアを選びます。
重いギアでグイグイ踏み込むより、「多少軽めかな?」と思うくらいのギア位置でペダルを回す回数を多くした方が疲れにくくなります。
坂を登る場合も軽めのギアを選び、焦らずあまりしんどくないくらいのゆっくりペースで登るとよいでしょう。
出発の時間は朝、できるだけ早く出ましょう。夜明けと共に出発して、午後早いうちに走り終えて、後はのんびりするくらいが理想です。
長距離サイクリングでは、問題が起こって予定通りの時間で走れないことはよく起こりますし、途中で暗くなってしまうとクルマから自転車が見えにくく、自転車からも道の状態がよく見えなくなります。
さらに、慣れない土地でますます道を間違えやすくなりますし、「早く目的地に着かなければ」と気持ちが焦ると無理な運転をしがちになり、事故を起こしやすくなります。
■ 集団走行
1人で走るより仲間と行くほうが楽しく、またトラブル対策としても便利なことが多くなります。大人数の場合はグループを最大10人程度に分けるのがいいでしょう。
速い人が独走せず、全体がバラバラにならないように注意し、一番遅い人のペースに合わせて走ることが安全面からも重要です。遅い人を急かすと心理的に余裕がなくなり、トラブルにつながりかねません。経験者が先頭と中間と最後尾を走り、後ろで何かあった時に前に伝えられるようにしておくと、いざという時には便利です。狭い道は必ず一列で走ってください。
はぐれた際の集合ポイントをあらかじめ決めておくこともお忘れなく。